振り向くと、もうひとりの幼なじみ黒瀬竜介(くろせりゅうすけ)がいた。

巷で有名な暴走族、極楽鳥花の総長。

私のことを捨てた奴。


「なに、話しかけてこないで」

せっかく“あれから”会わずにいたのに。

もうスルーだスルー。

幸い、違うクラスだからいいけど。

さっき藍も言ってたあんなことは、中3の冬のこと。




『あー!また負けたじゃん!竜のドアホ!』

竜介
『はぁっ!?ババ抜き弱いお前が悪いんだろ!翠のアホ!』

中3の夏、私は極楽鳥花の姫として過ごしてた。