▷▷愛生side

さっき、夏希と碧の会話を聞いてしまった。

碧に、詩織さんという女の子がいた。

きっと、なんかあったんだ。

でも、聞いちゃいけない気がして。

私はその人に負けちゃう気がして。


「愛生、俺……」


「っあ、あー!私、なんだか眠たくなっちゃったなぁ〜!もー寝るね?おやすみ!!」


「え」

ガバッ!と布団を被って目をつぶった。

ご、ごめん碧!でもなんだか聞きたくないの。

振られる準備なんてしてないから……。