たしかに……初めて会った日、夏希が翠に食いつかなかったら私たちみんなはただの同じ学校に通う人。

陽菜
「それぞれの歯車がくっついて動いて動いて翠と夏希がひとつの歯車になった。たくさん小さな歯車に邪魔されて何度も止まったりしたけど結局くっついて、すべてが片付いたあの日また動き出した」

説明わかりづらくてごめんねと言う陽菜。

だけど例えに歯車は合ってて、わかりやすい。

陽菜
「陽菜が聖七と向き合えてるのも翠と夏希の歯車のおかげ。あのふたりの歯車が動いて陽菜たちみんなの歯車は動き出したの」


「陽菜……」

陽菜
「歯車はきっかけがないと動かない。陽菜たち人間もみんなそうだよ。まだ子供って言われる高校生なら特に。まだ大人の社会をわかってない部分もあって、これからいろんな歯車に邪魔されて立ち止まる」