月下美人

目を見開いて俺を見上げた陽菜の眼に、俺が映るから。

そうやって、顔を赤くするから。


「嫌いなんだよ!ムカつくんだよ!なのに、陽菜のこと忘れらんねーんだよ……!」

陽菜
「っ……なら、好きでいいじゃん!バカ!」

なっ……。


「別に好きなんて言ってねーし!!」

陽菜
「ふんっ、あっそ」

ぷいっとそっぽを向いた陽菜。

可愛くねー……。

陽菜
「……思わせぶりしないでよ、バカ」

そう言う陽菜の耳は真っ赤で。