ふふっ、とおかしそうに笑った琴莉さん。

琴莉
「守りたいと思う、俺のものにしたいって思う子がいるんだ。だから、婚約者には申し訳ないけど破棄してほしいです。って」


え……。


「それ、って……」

琴莉
「ふふっ、翠ちゃんのことよ」

わ、私……。

琴莉
「どんな子か聞いたら、うるさくて単純でバカな素直だけど真っ直ぐで鈍感で無邪気で……めちゃくちゃ可愛いってあの夏希が言うもんだから」

そ、そんなふうに言ってたのか……。

琴莉
「会ってみたら納得したの。夏希が惚れ込む理由がわかった」