月下美人


「わから、ないんです……でも、父親というものわかんなくて……」

夏希
「……聞いたことないの?優奈さんに」

私の手を包んでくれた夏希。


「ある、けど……教えてもらえなかった。小学校に入る前だったからかな……なにも理解できないし」

でも……あのとき。


「すごく、悲しそうな顔してた……聞いちゃいけないと思って、ずっとそのまま」

夏希
「お前のお人好しはその時からなのか……」

ボソッと呟いた夏希。

健太郎
「翠ちゃん、ハッキリと答えてくれ」