月下美人

杉野
「はい、かしこまりました」

杉野、さん……?

へ、へー、杉野さんって言うんだ。

なんか、急に別世界って感じするな……。

心細くなって、私の知ってる夏希が遠くなる気がして夏希の腕を掴んだ。

夏希
「……大丈夫だから」

私の手を掴んで、そう言った夏希。

大丈夫……わかってるけど、夏希の両親に会うのは少し怖い。

私は、父親というものを知らないから……。

玄関に入ると、たくさんのメイドや執事さんたちが出迎えてきた。

な、生のメイドさん……!

杉野
「さぁ夏希様、翠様。こちらです」