月下美人

せめて、あともう一度だけ……会いたい。


「はー……翠は隣街の女子校にいるよ。学校名は教えてくれなかったけど」

愛莉
「手遅れになる前に、行ってあげて」

ふたりとも……ほんとに、感謝しかねぇな。


「ありがとうございます!」


「翠のこと頼んだよ」

愛莉
「じゃあ、私たちはもう行くね」

教室に入った俺は、気づかなかった。

この時、あの女が見ていて、企んでたことに。