と、優しい瞳で言われた。

っ……ずるいよ。

そんなふうに言われたら、我慢してたものが全部吐きでる。

ぼろっと涙を流した私は、夏希のブレザーを掴んだ。


「っ……悔しいっ…ずっと、あの時から悔しくてたまんない……っ」

初めて、大切な存在を奪われてから……。

なにもできない自分が、悔しい。


「今度こそ、守りたいのに……っなにもできない自分が嫌だ……っ」

ブレザーを握る手に温もりがきた。

夏希が私の手を包みながら頭を撫でてくれて。

夏希
「俺はどこにもいかない。翠の隣にいるから。他の奴らもそう、翠のそばにいる」