見渡せば、陽菜ちゃんはいなくなってた。

逃げ足が早い…。


「……翠、大丈夫かな」

玲央
「夏希がいるから大丈夫だよ!俺らで翠を守るんでしょ?」

……そうだ、私たちが翠を守るんだよ。

ただでさえ翠は、もう充分なくらい傷ついてるんだから。

いや、傷つく必要なんかないはずなのに……。

彩葉
「あの女……絶対許さない」

瑠架
「彩葉……俺らは夏希に任せておこう」


この日から、翠にデマとレッテルが貼られた。

でも、私たちは気づかなかったんだ。

これが、すべての始まりに過ぎないということに。