月下美人

瑠架の手を振り払った夏希。

その目は、もう遠くにいる翠しか見えてなくて。

夏希
「どんな状況でも誰がなんと言おうと、好きな女が悲しんでたら……傷ついてたらそばにいるのが男だろ!?俺は噂もデマもレッテルも気にしない。アイツひとりになんてさせれるかよ!」

っ夏希……。

夏希はそう言うと、いなくなった翠の後を追っていった。

夏希が、大声出すなんて……相当キレてる。

竜介
「……ほんと、アイツには適わねーな」

ボソッとつぶやいた竜介。

彩葉
「って、あの子いなくなってるじゃん……」

えっ!!