頭を撫でられたら嬉しくて。

でも……私は思ったよりも昴のことを知らなかった。

私の昴への恋は、ただの自己満。

夏希
「……翠?ごめん、やっぱ嫌なことさせた?」

私の顔を覗き込んできた夏希。

ドキッ……!

夏希にはあって、昴にはないもの。

ありえないくらいのドキドキと、独占欲。

……いや、まさかね。


「っごめん、教室戻らなきゃ」

夏希
「逃がさない」

ぎゅっと手を握られた。