でも、極楽鳥花はあっさりこの子に取られてしまった。

夏希も……取られちゃうの?

そう考えるだけで、なんか嫌な感じがした。

ズキッ……!

その瞬間、頭が痛くなった。

陽菜
「校内案内はそのへんの男使うからいーよ」

水瀬陽菜はそう言うと、その場を去った。


「はぁー……いった……」

とにかく、教室行こ……。

鞄取って、今日は帰ろ……。

ふらつく足で歩いてると、誰かにぶつかった。

夏希
「翠!大丈夫?」