月下美人

振り向けば、素の水瀬陽菜がいて。

陽菜
「んーなかなか竜くんが振り向いてくれないから、転校してあんたから取ろうと思って」

あぁ……なんにもわかってない。


「竜はあんたになびかないよ。竜が好きだったのは私みたいだし、それにあんたみたいな女に大切な幼なじみ渡さないから」

陽菜
「でも付き合ってないんでしょ?なら止める権利なくない?」

たしかに、竜の気持ちに気づいたのはつい最近。

でも、大切な幼なじみに変わりはないから。


「やってみなよ。でも、あんたはこれ以上私からなにも奪えないよ」

陽菜
「っ……やってやるわよ!」

これから……もっと気を張らないと。