月下美人

こんな人目のある廊下で謝るなんて……。

魂胆が見え見えだよ、水瀬陽菜。


「校内を案内するんだったよね」

陽菜
「あ、でも体調悪いなら別の人に頼むから無理しないでいいよ!」

わざわざ私に頼むんなら、なにか私に話があるはず。


「いや、いいよ。行こう」


「でも翠っ、授業……」


「あーほら、次体育じゃん?体調悪いって言っといて!お願いっ」

私は水瀬陽菜の手を引いて、止めようとしてるみんなから離れた。

見えなくなったところで、手を離した。


「……なんで転校してきたの?」