月下美人


「は……?初耳なんだけどそれ」

藍とお母さんには言ってなかったし……。


「それにほら、竜のこと極楽鳥花の誰よりも信じてたし好きだったから。竜のこと誤解してたけど」

竜介
「翠……」


「そんな辛い思いをするなら、裏切られるなら、また……痛い思いするなら、なにも信じたくなかった」

でも……あの日、夏希たちに会って変わった。

普通の来栖翠として生きてればそれでいいって思ってたし。


「そりゃ夏希たちのこと信じるの嫌だった。同じ暴走族って部類だし、私が極楽鳥花の元姫って知ったら裏切られる気がして」