私はあの日のことを話した。

すがったけど、信じてもらえなかったこと。

ぜんぶ、ぜんぶ……。


「だから、高校ではごくごく普通の来栖翠として生きようって決めて……。彩葉と苺と愛生と友達になれて嬉しくて……」

でも……。


「こんなこと知られたら、離れてっちゃうかなって怖くて言えなかった……私の中で極楽鳥花のことは奥底にしまっとこうって決めていたから……族とも関わんないつもりだったし」


「その、水樹陽菜さんは今……」


「極楽鳥花で好きに生きてると思う」

これで、話すことぜんぶ……。