▷▷夏希

公園のベンチに座る俺ら。

もう翠の涙は止まったけど……。

さっきから手、離してくれないな。

俺、警戒されてんじゃなかったの?

チラッと公園の時計を見ると、6時半頃。


「みんな待ってるし、帰ろっか」


「……立とうとしてないくせに?」

図星なのか、えへと笑った翠。


「竜に、最初から信じてたって言われた」

あの幼なじみか。


「……」


「でも私は、極楽鳥花に戻る気はない」