夏希
「ん」


「彼女いるなんて、知らなくて……」

それでも……好きだった。


『ふぇ〜!竜〜!昴〜!』


『あ、ここにいたんだね翠!もう大丈夫』

そう言って、おんぶしてくれた昴。


『わぁっ、昴ありがとう!大好き!』


『翠は危なっかしいから苦労したよ』

そう言って、優しく微笑んでくれた昴。

……ありがとう。

私に恋を教えてくれて……ありがとう。

納得いかないけど、もう少し……この想いを抱いていよう。

いつか忘れられる、その日まで……。