幸男はそんな大家の家を通り過ぎ、すぐ隣にあるアパートの二階へと急いだ。


汗でへばりついたこのシャツを早く脱いでしまいたい。


そんな思いでポケットから鍵を取り出し、鍵穴に差込み、ドアを開け……「なんだ!?」叫んだ。


幸男の目の前、つまり玄関先にあったのは金色に光る大きな袋だった。


一瞬部屋を間違えたのかと思い、外のプレートを確認する。


いくらなんでも部屋を間違えるワケがないし、何度も瞬きし、目をこすっても、その袋が消えることはなかった。


もちろん、この袋に見覚えはない。


幸男はおそるおそるその袋に近づき、そっと手を伸ばした。


袋は相変わらず金色に光っていて、チョウチョ結びされている紐を解くと、その光は更に増した。


眩しさに目を細め、唾を飲み込む。


もしかしたらダイナマイトではないか、という思いが体中から汗を吹かせた。