ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。



がばりとふとんをはがされたと思ったら、ぎゅっと両手首を掴まれて、押し倒されて。


「……」


ガン見。ガン見されとる。

目を閉じて、必死に横を向く私の顔を、穴が空くんじゃないかってくらい見ている気がする。


「っ、もう、放して……っ、あ、」


手……っ。

どうにかこうにか離れたいと思った手に、するりと指が絡んでシーツに押しつけられる。


「やっ……」


ドキンドキンドキン。

するりと入り込んだ手に、にぎにぎと優しい力が込められる。


こんなときに……っ。

なにまた、反応してるの……っ。


「なぎ、さ……」


閉じた目がじんわりと熱くなる。

跨られている太ももを擦り合わせて、震える体をで必死に身をよじって。


「おね、が……放し、て、」


滲む視界の中で、どんな顔をしているのか分からない渚を見つめたとき。



「はあ……もうっ、」


「ひあっ……!」


「頼むから……そんなかわいー声で、おねがいとか、言わないで……」