ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。



いつのまに部屋に……!


「はよ。よく眠れた?」


「うっ……あぅ、えっと、」


「ははっ、なんで言い淀んでんの」


今さっきまでやらしいこと考えてたからです!なんて言えない……。


「ほら、おはようのキス……ん、なんか顔あか……」


うわああああ!


ギシッとベッドのスプリングがなって、慌てて頭の上から思いっきり布団をかぶる。


「……どういうつもり、これは」


「み、見ないで……!」


「なにを?」


「なんでも!もう少ししたらリビング行くから!」


「なに。なんか見られたらまずいものでもあんの?」


「ちがっ……いや、正確にはちがわな、」


「あ?」


やばいやばいやばい。

ぐぐもって聞こえるけど、渚の声、なんかめちゃくちゃ低い気がする……!


「なに。なに隠してんの」


「っ、なにも隠してないっ、から、ふとんはがすのだけはやめて……!」


「やだね」


怒らせた?

そうは思うけど、こんな寝起きではしたないこと考えてるなんて、渚にだけはバレたくないし、こんな真っ赤な顔見せられない……!


すぐに真っ赤になるこれ、ほんといや……。


「つーか、そんなに潜ってたら息苦しいだろ」

「……」


「体によくないから。な、頼むから出てきて」


こんなときでも、心配してくれるのは体のこと。


「はい、隙あり」


「うわっ……!っ、あ」


「……」


「っ、だから、見ないでって、言った、のに……」