そう思ってたら。
「ご飯作るのも掃除も洗濯も、俺がやってあげたい」
「え、で、でもそれじゃあ……」
「だからむぎは……」
「うっ、あっ……な、なぎさ」
グッと後頭部に手を回されて、こつんとおでこがぶつかる。
「こうやって俺に愛されてるだけでいーの」
「っん……」
そして濡れた目元にキスが落ちてくる。
「っ、渚、あますぎ……、」
「そりゃあ、ずっと好きだった子にふれてるから」
「心臓、もたない……」
この世の甘いものすべてを集めても負けないくらいの甘すぎる瞳に射抜かれたら。
渚が言葉にしなくても、ふれるところから「すきだよ」って言われてるみたいで、心も体もぜんぶがとけそうになるの。
「こんなの序の口。
正直俺なしじゃ生きてけないくらいデロデロに甘やかしてやりたいし、」
「っ……」
「俺にしてほしいこと、ぜんぶしてあげたい」
「っ、あっ……ぅ、」
耳元で囁いた声の甘さにぎゅっと渚の服を握ったら。
「ん、そうそう。
むぎは俺の腕の中にいるだけでいいんだよ」
「けど……、ふっ、ぁ……!」
ふわっと唇に落ちてきた熱は、紛れもなく渚の唇で。
「俺といっぱいイチャイチャすること。
俺に構って?ぎゅーしてキスして、好きって言って?」
全身に電気が走ったみたいな衝撃に、くらりとめまいがしたとたん。
後頭部をそっと引き寄せられて、渚の肩に顔がぶつかる。
「ん、そのまま聞いて。
それともう一つ。特訓するときは、今みたいに俺の膝の上でしような」
「っ、は、なん、で……」
「後ろからでもいいけど、むぎの顔が見えないのはいやだし、不安にさせたくない。俺の顔見えた方が安心するだろ?」
「ん……」
「それに、むぎのかわいい顔を1秒でも見逃したくないってのが一番。だって好きな子が俺で気持ちよくなってくれてるなんて、最高に嬉しいし、かわいいから」
「っ……」
「あと、ちゃんと目を見て好きって言いたい。これからたくさん好きって伝えていくけど、どれもぜんぶちゃんと覚えていてほしいから」