ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。



「渚、むぎちゃんとイチャイチャしたいんじゃないの?」


「そりゃあもう。
朝から朝まで」


「朝から朝まで……!?」


そこは普通、朝から晩までじゃないの!?


「え、俺変なこと言った?」


「我が息子ながら若干引いたよ」

「あたしもよ」


ずっとにこにこしていた渚のお父さんが苦笑いしてる……。

そして私はひきつり笑い。


「だって親がいたら、満足にイチャイチャできないでしょ?渚が欲求不満になって暴走したら、大変なのはむぎちゃんなのよ」


「満足関係なしに、既にもう暴走しかけてるんだけど」


「ええっ!?」


「あんたは一年中だったわね」


さもあたりまえのように言う渚に動悸がおさまらない。


これ以上にないほど好きでいてくれているのは本当に嬉しいし、幸せだけど……。