ここに!?
ふたりで!?住む!?
what!?
「だって〜!むぎちゃんがうちにお嫁さんに来ると思ったらなんでもしてあげたくなっちゃって!お祝いと、お嫁に来る前の花嫁修行ってことで!」
キッチンもあるしね!
「は、花嫁修業……」
「別にうちか、むぎちゃんの家かにふたりで住んでもらうってのもありかと思ったけど、大好きなふたりに向けて、あたしたちの力を存分に使いたいと思って」
「な、なるほど……」
それでスイートルームに考えが行きつくなんて、さすが汐さんというか、なんというか。
「それにほら、あたしが言うのもなんだけど、渚、重いしいろいろ激しそうじゃない?今から少しでも慣れといたほうがいいかなーと思って」
「本人いんだけど」
「だってそうでしょ?
お父さんの子だし」
「汐、それは僕に言ってるのかな?」
「俺はむぎのペースに合わせるのがモットーだから。父さんと一緒にすんな」
や、やばい……。
本当にめまいがしてきた。
お母さんたち。
いくら婚約者同士とはいえ、ふたりだけで住むことに異論はなかったんですか……。
「この階は、あなたたちの部屋以外はなにもないし、ここへはさっきのカードキーと直通のエレベーターと使うからお客さんと会うこともない。
ちなみにさっき入ってきたドアが専用入口だから、忘れないようにね」
「は、い……」
とにかく話についていくのに必死。
4人にお祝いしてもらえるのは嬉しいし、こんなに幸せなサプライズなんかない。
でも、でも……!!
秘密を打ち明けてまだ一晩しか経ってないこのタイミングで。
ふたりきりの生活なんてはずかしいし、さすがに緊張するって……!!



