「ほんとに!?」
「はい」
「っ〜〜、おめでとう!!」
「おめでとう、ふたりとも」
んん……っ、うるさい。
1階からお母さんのぎゃあぎゃあ騒ぐ声と、珍しくお父さんの声がする。
あっ、そっか。
今日は土曜だったっけ。
ならまだ寝て……。
ドドドドッ!!
「っ、なにごと!?」
ものすごい勢いで階段を駆け上がってくる音に、ガバッと起き上がる。
なに!?地震!?
慌ててベッドから降りて、ドアを開けようとしたその瞬間。
バーンッ!!
逆に、向こう側からぶっ壊れるんじゃないかと思うほどの勢いと力で開け放たれたドア。
そして。
「むぎーーーっ!!
おめでとうーーーっ!!」
「お、お母さん!?」
涙でぐしゃぐしゃになった顔でガバッと抱きついてきたお母さんに顔が引きつる。
一体なんだって言うの!?
「むぎ。
渚くんと、幸せになるんだよ」
「お父さんまで、なに言って……って、」
渚……?
っ、そうだっ……!
昨日の夜、渚、私の部屋に来て……。
「はよ、むぎ」
「っ、なぎ、さ……」
お母さんたちの後ろから、ゆったりとした足取りで部屋に入ってきた渚。
いつ部屋に戻ったのか。
結局あのまま朝までここで寝ていたのか。
聞きたいことはたくさんあるけど、それよりも……。
かっこよすぎて、見てられない……。