ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。



「重くなんか、ないよ……」


「ん?」


「好きな人にそこまで想ってもらえてたなんて、むしろ……すごく、すごく幸せだよ」


いくら女嫌いでクールとはいえ、うちの女子から人気がたえない渚。


そんな渚がずっと想っていてくれて、婚約者になれて。

好きな人にここまで好きだって言ってもらえて、嫌だなんて思う女の子なんかいないよ……。


「むしろ、渚みたいに、私ももっともっと渚に好きって伝えたいって思ったよ……?」


「っ、あー……もう、」

「渚?」


ほんのり赤く染まっていた顔が、今度はトマトみたいに真っ赤に。


「もう、言葉じゃ伝えきれないくらい、むぎが好きだよ」


「えっ!?」


「ホント好き。すげえ好き。
こんなに幸せでいいのかよ、俺。こんな最高な子が婚約者で幼なじみとか、俺、ホントむぎに溺れそう……」


「溺れ!?
なっ、なに言って……」


「それにその体質。
俺の理性、総動員させなきゃだし」


「理性……なんて?」


渚の真っ赤な顔なんてレア中のレアだし、ばっちり目に焼きつけておきたいって思うのに。


「あー……今となっては合点がつくことだらけだわ」


「合点?」


「やっと、やっとむぎが俺のになったと思ったら、ちょっとふれるだけで体熱くして、目うるうるさせて。どんだけかわいいのこいつって思ったよね。

つーかかわいすぎて、あのときの記憶ないし、理性ぶっとびそうだったんだよ」


いや、もうほぼぶっ飛んでたか。


「っ〜〜!!」


またもや矢継ぎ早に言われて、ついていけない。

さっきから、めちゃくちゃ嬉しいことを言われてる気がするのはたしかだけど、


渚の熱量を、愛を一気にぶつけられてる気がして、頭がくらくらしてくる。


「つーか、もっと強引にでも、早く知ろうとすればよかった」


「えっ、ど、どうして?」


「だって、俺の所為でかわいくなってるむぎの顔とか声とか、いっぱい見たいし、聞きたいから」


「はっ!?」