ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。



「むぎ」


「あっ、う、うん?
なに?」


「自分で言うのもなんだけど、重いだろ、俺」


「っ、えっ!?」



「好きな子が行く学校も、自分の都合で誘導したり、告白されるたびにそいつに嫉妬して」


むぎに重すぎ、無理って思われたくなくて、必死にクールぶって、余裕ぶって。独占欲の塊なくせに、むぎには良く見られたいって必死で。


「なぎ、」


「本当は、好きだって愛してるって言って、ふれてキスして抱きしめて、ぜんぶ俺のにしたいって思ってた。むぎは俺を優しいって言うけど、俺は優しくなんかない。むぎを俺のものにしたいとしか考えてない、ただの男だよ」


そしてふっと自嘲気味に笑って、私を見た。


ああ、この顔は……。


まるでさっきの、


嫌われたくない。

引かれたくない。


お願いだから、離れていかないで。


そう思っていたときの自分の顔にそっくりで。