「で、できた……!」


「うん!見た目も味もバッチリ!
ぜったい喜んでくれるわ!」


それからなんとか仕上がった誕生日ケーキ。

渚は甘いのがあんまり得意じゃないから、レモンのレアチーズケーキ。

夏だしさっぱりして、いくらでも食べれるはず。


お祝い用の他の料理もなんとか仕上がって、あとは渚を迎えに行くだけ。


時間はもう4時半。

そろそろ出なくちゃ。


「じゃあ、むぎちゃん、健闘を祈る!」

「汐さん、本当にありがとうございました」


ホテルの前で別れて、私はそのまま学校へ向かう。


渚、活躍してるかな。

ううん、渚だもん。

きっと活躍してる。


料理、喜んでくれるといいな。

プレゼントも……。


はずかしいけれど。


きっと、最高の夜になる。