***
ふわふわ心地いい、わたあめみたいな、夢。
前にも見たことのある幸せな夢だった。
私の頬を愛おしいと言わんばかりになぞって、好きだよって、とけそうなほど優しい声で囁いてくれて。
その大好きな体温で、ぎゅっと強く、抱きしめてくれて。
「ん……」
ふっと目が覚めたとき。
「むぎっ!!」
「那、咲……?」
「よかった……っ、目、覚めて」
目を開けたとたんに飛び込んできたのは、今にも泣きそうな顔で私を見つめる那咲の顔で。
「むぎちゃん!」
「星見!」
よかった!そう言って私の顔をのぞきんできたのは同じグループのみんなだった。
「ここ、は……」
「あたしたちの、女子の部屋だよ」
「あれ、私……」
「覚えてない?
むぎと朝日くんがなかなか戻ってこなくて、みんなで心配してたら、急にひどい雷雨になって、しかも停電までして。どうしようってなってたら、久遠が脇目も振らず、1人で校舎に……」
そうだ、あのとき。
「渚……、渚はっ……」
「むぎ」
「渚……!」
みんなのあとに続くように入ってきた渚は、私が腕を伸ばす前に、ぎゅっと強く私を抱きすくめて。
「よかった……よかった、目、覚めて、」
「渚……」
泣きそうな。
どこか震える声に、また心配をかけてしまったって、心臓がぎゅっと苦しくなる。
「お邪魔みたいだし、オレたちは出とくか」
「バカ碧!そういうこといちいち言わなくていい!」
「むぎちゃん、またあとで戻ってくるから。
それまで久遠くんとゆっくりしててね」
「星見さん、お大事に」
「ありがとう、みんな……」
パタンと閉まったドアを見つめてたら、
「むぎ」
「ん……っ、ふぁ、」
ぎゅっと体は引き寄せられたまま、甘くて優しい、ふれるだけのキスが何度も唇に落ちてきた。
ふわふわ心地いい、わたあめみたいな、夢。
前にも見たことのある幸せな夢だった。
私の頬を愛おしいと言わんばかりになぞって、好きだよって、とけそうなほど優しい声で囁いてくれて。
その大好きな体温で、ぎゅっと強く、抱きしめてくれて。
「ん……」
ふっと目が覚めたとき。
「むぎっ!!」
「那、咲……?」
「よかった……っ、目、覚めて」
目を開けたとたんに飛び込んできたのは、今にも泣きそうな顔で私を見つめる那咲の顔で。
「むぎちゃん!」
「星見!」
よかった!そう言って私の顔をのぞきんできたのは同じグループのみんなだった。
「ここ、は……」
「あたしたちの、女子の部屋だよ」
「あれ、私……」
「覚えてない?
むぎと朝日くんがなかなか戻ってこなくて、みんなで心配してたら、急にひどい雷雨になって、しかも停電までして。どうしようってなってたら、久遠が脇目も振らず、1人で校舎に……」
そうだ、あのとき。
「渚……、渚はっ……」
「むぎ」
「渚……!」
みんなのあとに続くように入ってきた渚は、私が腕を伸ばす前に、ぎゅっと強く私を抱きすくめて。
「よかった……よかった、目、覚めて、」
「渚……」
泣きそうな。
どこか震える声に、また心配をかけてしまったって、心臓がぎゅっと苦しくなる。
「お邪魔みたいだし、オレたちは出とくか」
「バカ碧!そういうこといちいち言わなくていい!」
「むぎちゃん、またあとで戻ってくるから。
それまで久遠くんとゆっくりしててね」
「星見さん、お大事に」
「ありがとう、みんな……」
パタンと閉まったドアを見つめてたら、
「むぎ」
「ん……っ、ふぁ、」
ぎゅっと体は引き寄せられたまま、甘くて優しい、ふれるだけのキスが何度も唇に落ちてきた。



