ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。



ゆっくり開かれた瞳は、いつも見たく涼しげどころか、熱で潤んでる気がする。


測ってみれば38.5分。

こんな高熱、つらいに決まってる。


「おれ、みんなに迷惑……」

「そんなこと、気にしなくていいよ。
病人、なんだし、」


「うん……」

「でも……」


たぶん起きてるのがつらいんだと思う。

一度閉じられた瞳が、もう一度、私のほうを向いて開かれた。


「体調わるいなら、はっきりそう言わなきゃだめだよ」

「……」


熱でうなされてる朝日くんに、今こんな話をするのはどうかと思ったけど、


「香澄ちゃん、めちゃくちゃ落ち込んでたよ。
体調わるい人に、あんなひどいこと言っちゃったって。みんなに気を使うのはいいことだけど、我慢して、逆に嫌な気持ちさせてたら、意味ないよ」


一度保健室に来た、香澄ちゃんは泣いていた。

それはもう、目を真っ赤にして、泣き腫らして。


「……ごめん、」


「いいよ。
それは私じゃなくて、香澄ちゃんに、」


「体調わるいの、気づかなくて」

「は?」