ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。



「なのにさ、今更他のやつがなに?だいたい俺がいるってわかってんのに、なんで告白すんのかまじで理解できない。俺がいるのに。ほんと、俺がいんのに」


「に、2回も言った……」


「当たり前だろ。
どんだけむぎのこと好きだと思ってんの」


「えっ!」


「そこで驚くの?
なんなら俺、水篠と花柳の全校全員の前で叫んでもいいけど」


「え、遠慮しときます……」


「遠慮すんなよ。
俺は今すぐにでも言いたい」


「ほんとにやめて」


まだ口元は覆ったまま。

口調だって少し拗ねた感じ。


だけど、愛おしいと言わんばかりの目で見つめられたら。


「言っとくけど、俺の毎日むぎばっかだから」


「え?」


「むぎと話す度に好きだなって思うし、俺の名前呼ぶだけでかわいいってなるし、隣歩いてるだけでめちゃくちゃ抱きしめたくなるし……」


「あーあー!
分かった!もう分かりました!」


ほんっと、恥ずかしぬ!!


両思いって分かったとたん、渚の甘すぎる言葉がとまらないし、ずっと笑ってるし、


さっきから、渚のぜんぶが心臓に悪い!


私の心臓壊す気!?