「……好きな人」
「え?」
「そこは、私の幼なじみじゃなくて、好きな人、じゃねーの?」
「えっ?」
「てか、嫉妬って……え、これ夢?」
「な、渚……?」
言ってる意味がわからなくて、目を白黒させてたら、渚は口元を覆ってふいっと横を向いた。
「嫉妬なんて、俺ばっかだと思ってた」
「え?」
「女に囲まれてる俺見て、いつも興味なさそうにしてるし、むぎが告白される度にどんなやつか気になって質問責めするのはいつも俺のほうだし」
耳、赤い……。
もしかして、照れてる、の……?
「あの、渚?」
「なに?
俺のことモテるとか言うけど、モテてんのはむぎのほうだからな」
「そっ、そんなわけな……」
「そんなわけあんの。
見た目もまじでかわいいし、ちょっとツンデレなとことか、照れ屋なとこも。つーか、かわいいのなんてぜんぶだろ」
「はっ!?」
「かわいい以外の表現、思いつかない」
「っ、なっ!?
ななっ!?」
「むぎ見てると、いつも好きとかわいいしか出てこない」
なっ、何いってんの!?
しかもそれをそんな優しい顔で言うっていうのが、また!
私の方こそ夢……?って聞きたくなる。



