「うちの女の先生……」
って、私に朝日くんを連れていくように言った体育の女の先生のことだよね。
たしか私たちのグループのすぐそばにいた。
朝日くんが抜ければ近くにいた先生が入る。
そして朝日くんの代わりに私のペアになるのは……。
「男のおれに言われるの、めちゃくちゃ嫌だろうし、気持ち悪かったら、ごめん」
「うん……」
「むぎさん、もしかしてそういう、体質持ってる……?」
「そういう、体質って?」
「その……えーと、」
目線が右に、左に。
気を使ってくれてるんだと思う。
男の自分からそれを言ってもいいのかって。
でも。
「身体的に、敏感な体質」
「っ……」
不思議と、朝日くんになら、打ち明けても大丈夫だって思ったから。
「なんで、気づいたの?」
「……きっかけは、最初に会ったとき」
「あのときから!?」
「うん……セク……じゃなくて、落としたもの拾ったとき、一瞬だったけど、手、ふれたじゃん」
「うん」
「あのとき、すごい声出てたし」



