ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。



「はあ!?なんっでグループごとなんだよ!
全員でやれよ!全員で!」

「フォークダンスの意味ないだろ!」


「うるさ……もう決まったことなんだからさっさと動けばいいのに」

「森山に一票」


私の横で、ぼそっと那咲と渚が話してる。

賛否両論はあったみたいだし、朝日くんたちはいるけど、それ以上に、フォークダンスがなんとかグループ内ってことになって、私は本当に安心してる。


『もうほとんど出ないとはいえ、心配だから』


私の体質は、もうほとんど出なくなってる。


もちろん、完全になくなったわけじゃないけど、もう90%近く、なくなってる。

ぜんぶぜんぶ、渚のおかげ。


「渚、ありがとうね。
土方くんも」


「いいってことよ!」


土方くんには私の方から、体質のことについて、ついさっき打ち明けた。

一応フォークダンスだし、他の男子とはまだどうなるかはわからないから、一応。


『話してくれてありがとうな。
いろいろ大変だっただろ?がんばったな』


『土方くん……』


『けどまあ、フォークダンスって聞いて、渚があれだけ必死になってたのに合点がいったよ』


『ありがとうね、土方くん。
感謝してもしきれないけど……土方くんと、友達でよかった』


『ほ、星見……』


『おい、今どさくさに紛れて、頭なでようとした?』


『してねーよ!それぜったい渚の見間違いだろ!?なあ、森山!おまえもそう思うよな!?』


『悪いけど土方。むぎにふれようとするやつはあたしが許さない』

『うそだろ、森山あああああ!』


とまあ、そんなこんなはあったけれど。


渚と土方くんのおかげで、なんとか少しは安心してフォークダンス練習に挑めると思う。