那咲、こんな朝早くどうしたんだろう……。
なにか緊急の用事?
でも、思い当たることはなにもな……。
「……はあっ!?」
!?
え、なに……?
「は、いや、うそだろ?」
めったにトーンが上がらない渚の声。
こんなに大きい声を聞いたのはほんとうに久しぶりってくらい。
なに?なんなの?
ぼーっとしていた意識がゆっくりゆっくり戻っていく。
那咲は、なんて言ってるの……?
「っ……わかった。俺らもすぐ行くから」
それから渚は何度かうなずいたあと、
「ごめん、勝手に電話とって」
「そ、それはぜんぜんいいんだけど、相手那咲?どうかしたの……?」
上から退いた渚がゆっくり体を起こしてくれる。
渚の顔色がわるい……。
というか、怒ってる……?
「はー……くっそ、」
髪をぐしゃぐしゃっとして、ため息をついて。
「学校行こう。
そしたらすぐにわかるらしいから」