ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。



「……す、」


「す?」


〜〜!!


喜々と渚は待っているのに、いざってとき、すぐに言葉が出てこない。


渚にふれられて、頭がふわふわしてるときはあんなに素直になれるのに、意識がはっきりしてるときはどうしてもまっすぐ伝えられない。


「俺は好きだよ、大好き。
あとでむぎも言って?」


「っ、ううっ……」


「ふっ、ヨシヨシ。
大丈夫。時間をかけて、ゆっくりじっくりとかしてあげるから」


「っ、ひゃ、」


「かわいー、むぎ。
ほんと好き。大好き」


目尻を下げて、甘く甘く笑う表情と、

そっとおでこに落ちてきたキスに、私はすっかり忘れていた。


「おはようのキス」


「あ……」


「まだしてもらってなかったからそれもプラスで。あー、まじで楽しみ」


「う、あっ、えっと、」


「昨日よりも特訓する時間長くする。いっぱいイチャイチャしような」


目を細めて、華が咲いたみたいにふわっと笑う渚。


私の彼氏、どれだけイチャイチャしたいんですか……。