ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。



「むぎのはずかしがってる姿見てたら抑えらんない。それにまだ、してもらってないし?」


「っ、なにを……あ、」


おはようの、キス……。


「して?むぎ」


そっと両手を持ち上げられて、立たされて。


「あ……」


グッと腰を引かれて、引き寄せられて。


「はぁ……幸せ抱きしめてるみたい」


ぎゅうっと抱きしめられて、耳に甘い甘い声が落ちてくる。


「俺に、して?」

「ううっ……」


近い……っ。


こつんとおでこがぶつかって、少し熱っぽい瞳に見つめられたらなにも言えなくて。


「ん……ありがと」


屈んでくれた渚の頬に手を添えて。


「もう、はずかしい……、」


「ふはっ、かっわい。
首まで真っ赤じゃん」


ぶつかる瞳から逃げたくても、


「ひゃっ……!」


ご褒美。

そう言わんばかりに首筋に落ちてくる口づけ。


「声たまんね……今日の夜は首を重点的に責めようか」


「それはやめて!」


「ふはっ、あ、むぎ」


「なによ……って、え、これ……」