ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。



なんていうか……。


「まさかそんな、自分の弱点をさらけ出すようなこと?渚の口から出てくるとは思わなくて……」


元々私をそこまで好きでいてくれてたってことだけでも十分驚いたのに、


まさかクールな渚が自ら。


私のことを知っているように、私にも渚のことをもっともっと知ってほしいって思ってるんだって。


嬉しいけど、これ以上渚の知らない部分を知ってしまったら、もうどこまでも渚に堕ちてしまう気がする。


「むぎ自身が気づいてない一面でさえも、俺は知りたい」


「っ……」


「今まではずっと幼なじみとして接してきて、この重い感情はずっと隠してた。けど付き合えた今でも、むぎに見せてない部分はあるよ」


「まだ、見せてない部分……」


「そう。もっともっと大切にしたいし、欲を言えばああしたいとか、こうしたいとか……」


「あーあーあー!」


渚、自分の言ってることわかってる!?


私!本人!目の前に!いるんだよ!?


「い、今でもこんなに渚が甘くて、心臓がとまりそうなのに、これ以上大切にされて……」


「されて?」


「渚に、ふれられたら、私おかしくなっちゃう……」


両手で押さえた頬は、今にもやけどしそう。

これ以上にないくらい心臓がバクバク言ってて、頭もくらくらして。


もう、中毒だ。


渚中毒。