「……っ!」 布団の上で飛び起きて、夢はそこで途切れた。 今日は怖い夢ではなかったから、体は汗だくになっていない。 でもあらがえない虚しさにおそわれて、わたしはぐしゃりと顔をゆがめた。 どんどん、どんどんゆがんでいく。 ひどいさまになった顔面を、両手でおおう。 思い出すな、思い出すな。忘れろ、忘れろ。 ……お願い、忘れさせて。 「は……っ」 半泣きの声がこぼれた。 いじめられていたときの記憶は苦しい。 でも……楽しかったときの記憶は、もっと苦しい。