マシューが父親と母親のどちらに似ているかと問われれば、こう答えるだろう。
 どちらにも似ているし、間違いなく私達の可愛い息子だ、と。

「ネヴィル、元気そうだね」

「えぇ、おかげ様で順調です」

「まぁ、仕事はもちろんだが家族が幸せに暮らしているのが何よりだ」

「お二人もお元気そうで何よりです」

「お前達に会うのが楽しみでな」

「というより、孫にでしょう? それに……」

 ネヴィルは言いながら後ろを振り返った。

 そこには一歳になったばかりの娘の手を握る私がいる。

「フロタリア、おいで」

 一年一年、男らしさが増すネヴィルは伯爵夫妻の自慢の息子であり、私の自慢の旦那様だ。

「お義父様、お義母様。 お久しぶりでございます。 長らく顔をお見せできずに申し訳ございませんでした」

「フロタリア、お身体はもう大丈夫なの?」

お義母様が心配そうに言う。

「えぇ、空気の良い土地で静養させて下さったおかげです」

「ネヴィルがしっかり務めを果たしてくれているようで安心したわ」