「コゼット、俺からも聞きたい事がある。 フロタリアが受けた仕打ちや転生に気付いていながら、どうしてあいつらを野放しにしていたのだ。 そうでなければフロタリアがこんなにも苦しむ事はなかったはずだ」

「申し訳ありません。 エマ様については別ですが、悪の魔術を使った転移者を見つけ出すのは容易ではありませんでした。 見つけたとしても確証も証拠も何もありません。 ですから、フロタリア様に二人を近付けさせるしか方法がなかったのです」

「フロタリア様、本当にごめんなさい。 もしも真実を話せば、殺されて転生させられた事実も話さねばなりません。 私はお母様にそれを言う勇気が持てませんでした。 私とネヴィル様……お父様の事で誤解していたのに、苦しんでいたのに……」

「ネヴィル様も……転移者なのですか?」

「いや、俺はそうではない。 自分は転移者なのだとエマから直接聞いたのだ。 どうしても俺の協力が必要だからと言われてね。 最初は信じられなかったが」

「お父様とお母様の若い頃の話や思い出をいつも聞いていましたから、それを話したのです。 他の誰も知らないお父様とお母様だけの秘密の話を」

 そして私は自分の命が消えた日、つまりは殺された日がいつなのかを知った。
 それは度々の違和感で頭を悩ませていた寄宿学校への入学数日前、その日と同日でもあったのだ。