寮生活において、対等な二人部屋ではないと知ったのは彼女が貴族ではない事だ。
 そして私の世話をするのが同部屋の人間なのは、まさにどこの世界でも同じらしい地位の差だ。
 もしも私と同部屋の人間が私より上の貴族であったなら、私が世話をする立場になっていただろう。

 コゼットとは同部屋で、気が合う同級生という間柄ではなかったのに何かと私の世話を焼いてくれた。
 それはやはり仕方のない事で、それでも私にはコゼットが大切な友人に思えたのだ。
 彼女は私と違って髪が長くはないセミロングで、後ろで束ねた編み込みの髪型がとても似合っている。

 それにしても入学から半年で部屋の交換というのは不思議な気がする。
 こんな事が、よくあるのだろうか。

 エマ様と同部屋だった方はここではない別の部屋へと移り、別の部屋だった方がこの部屋へと移って来るらしい。

 どうしてこんな面倒な事を?

 二人部屋のこの部屋で暫く物思いに耽っていた頃、ドアをノックする音が聞こえた。