「何を考えている、フロタリア」

 不思議と何も感じない。 恐怖も抗う感情すら湧いて来ない。

「貴方達には私の信念も愛情も幸福も奪う事はできません。 例え、このまま死んだとしても地獄の転生を味わったのだとしても、私はやはり幸せだったと言えます」

 下から見上げる私をデュークは無表情でジッと見下ろす。

「もういいわ。 もう、たくさんよ。 この女は今すぐ殺す。 八つ裂きにしてやるわ」

 地獄の釜で茹でられているような奇声でも発狂でもない。 まるで嫉妬に狂った怨念の声だ。

 ジャクリンは私に跨がったデュークの身体を払い除けた。
 そして代わりに跨がり、首に両手を掛けて今度こそ強く絞めに来たのだ。