「フロタリア、いい様だな」

「デュ……ク」

 壁に押し付けられた私の身体はジャクリンによって抵抗する力を奪われていく。
 そんな様子を楽しげに笑って眺めるデュークには、図書室での優しく接してくれた時のような雰囲気を微塵も感じない。 そしてジャクリンも。

「ようやくお前を手に入れられる」

 朦朧とする私の顔を覗き込みながら、デュークは頬に触れていく。

 どういう事なのだろうか。
 ただの悪夢だと思っていたのに、まるで続きを見ているようだ。

 突然の事態に、思考が全く追い付いていかない。