「私の知っている事を教えてさしあげましょう。 フロタリア様はここで出されたお茶を飲んで意識朦朧となった。 そこを何者かの手によって……」

「え……?」

「貴方は純潔を奪われた絶望から学校を飛び出した。 そして橋の上から身を投げたのです」

 思わず、ソファーから立ち上がった。
 エマ様のその発言が私を急き立てる。 貴方まで私を笑いの的になさるの?
 ありえない、そんな事。
 私はそんな真似をしていない。 事実、私はここにいる。

「フロタリア様、私からも申し上げたい事があります」

 コゼットが私の身体をそっと落ち着かせるように座らせながら言う。 だが、その言葉は行動とは正反対だ。

「フロタリア様は池に突き落とされて溺死しました。 或いは刃物で命を落とした事も」

「いい加減にして! 私は生きているし、純潔も奪われてなどおりませんわ!」