「エマ、どういう事か説明してくれ」

「あの者の力が相当に強力で、例えるならまるで磁場の影響でも受けているかのようなのです」

「では、どうすれば良いのだ」

「やはり転移者ではないかと思いますの」

「あの男が?」

「というより……」

「このままでは非常に危険です。 事態がますます悪化する恐れが」

「駄目だ、これ以上もう放っておく事などできるはずがない!」

「私、いったん戻りますわ」

「エマ、君にいて貰わねば困る」

「大丈夫ですわ、ネヴィル様を一人になんて致しません」

「何か、策はあるのか?」

「まだわかりませんの。 ただ、あの者と私が敵対関係にある事だけは確か。 そこから辿れば」

「何日くらいで戻るのだ?」

「時間の感覚が違いますのよ、せいぜい二日かと」

「なるべく早く頼む。 もう我慢ならない」

「あら、ネヴィル様はそんなに女々しい方でしたかしら?」

「茶化すな、エマ。 わかっているはずだ、俺は愛する者を守りたい」

「それは私も同じです。 だからこそ、私は貴方に会いに来たのですから」