「名はなんと言う?」

「…白(はく)」

「では白よ。我らと共に異世界へ行かんか?」


ヴェントが突然訳のわからないことを言い出した。

「えっと…。異世界って?」

「俺たちは緑の妖精でな。植物を育てる。この世界ではもう、どんなに育てようとも枯れてしまう。

故に、我らの力が弱まってしまうのだ。」

「力が弱まるとどうなるの?」

「…跡形もなく消える。だから、まだ余力がある内に行くのだ。

向こうにいる他の妖精王にも許可は取ってある」