それから数日が経った。



ふらつきと、めまいがして。
まっすぐ歩くことが難しい。

吐き気もあって、食欲もなくなった。


香奈子が車を出してくれて、美加子と病院に向かっている。


「笑子ばあちゃん、もうちょっとで着くからね。頑張ってね」

香奈子が声をかけてくれる。


何か返事をしたくても、それは叶わなかった。



「この間のこと、私、ちゃんと謝りたいから。だから元気になってよ。笑子ばあちゃん、ちゃんと元気になるのよ!」


後部座席で俯いたまま。

私は気持ち悪さと闘いながら、ぼんやりと頭の中で香奈子に返事をする。



いいのよ。
分かっているからね。





私の隣で背中をさすってくれている美加子も、
「母さん、もうすぐ着くから」
と、さっきから声をかけてくれていた。











「母さん、しばらく入院しなくちゃいけないって」

病院で処置を受けて。

私の体調は良くなっていた。

「あら、そうなの?でも私、もう大丈夫よぅ」


美加子は怖い顔をする。