「子爵から文が届いてね」

「まぁ、お父様から?」

「リリィが二人目の子を宿しているそうだ」

「まぁ、なんと! お姉様が?」

「時期的には俺達と変わらない頃になるだろうね」

「嬉しいわ。 お姉様のお子様ならきっと麗しいでしょうから」

「第一子は男の子でジェイの後継者だったからね。 お腹の子はどっちだろうか?」

「どちらでもお姉様の子ですもの。 あぁ、楽しみが増えたわ」

「だが、会えなくて寂しくはないかい?」

「もちろん寂しいわ。 それでもお姉様は側にいて下さっている気がするの」

 それはきっと絵画の事を言っているのだ。

「それにね、この子がもしも女の子だった時は名前をもう決めてあるのよ」

「何という名前だい?」

「リリアーナよ。 お姉様のような素晴らしい子に育てたいの」

「ローズ……」

「きっと間違いなく女の子よ。 私、そんな気がするの」

 そう言いながらロージーは自分の寝室へと戻って行った。